ウゴービ®による肥満症治療


肥満は現代社会に生きる人々に共通の悩みです。容姿の問題だけでなく、身体にさまざまな障害をもたらします。体脂肪が過剰に蓄積すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症、痛風といった生活習慣病を引き起こすだけでなく、過度の体重負荷による軟骨の摩耗や骨の変形など、関節への負担から変形性関節症(主に股関節や膝関節などの荷重関節)、変形性腰椎症、踵骨痛、足底筋膜炎などの原因にもなります。これらの疾患は複合的に健康へ悪影響を及ぼし、次第に日常生活の質の低下につながっていきます。
当院ではそのようなお悩みをお持ちの方に向け、選択肢のひとつとして、GLP-1受容体作動薬「ウゴービ®(Wegovy®)」を用いた積極的な薬物ダイエット療法をご案内しています。
ウゴービ®とは?

ウゴービ®は、GLP-1という腸内ホルモンの働きを活かした、週1回投与の注射薬です。GLP-1は脳に作用し、食欲を抑制したり、胃の動きを緩やかにすることで、満腹感が持続しやすくなるなどの薬理特性があります。
もともと糖尿病治療を目的に開発されたGLP-1受容体作動薬を、肥満および関連疾患の方に向けて、より高用量で使用するのがウゴービ®です。海外・国内で行われた臨床試験でもその有効性や安全性が確認されており、肥満症治療の新たな選択肢として注目されています。
ウゴービ®は保険適用される?

現在、日本でウゴービ®を保険診療として処方するためには、
①日本糖尿病学会や日本内分泌学会などの認定専門医が常勤していること。
②管理栄養士による厳密な栄養指導が行える高度教育研修施設であること。
が必須とされています。
これらの厳しい条件を満たす医療機関は全国的に少なく、実際には大学病院や一部の大規模病院に限られているのが現状です。そのため、当院ではウゴービ®を用いた肥満症治療を「自由診療(自費治療)」としてご案内しています。
期待される作用
ウゴービ®(Wegovy)は、セマグルチド(Semaglutide)というGLP-1受容体作動薬を有効成分とした肥満症治療薬です。セマグルチドは、もともと糖尿病治療薬として開発され、食欲や血糖に関わるホルモン「GLP-1」の働きを再現するよう設計された薬剤です。ウゴービ®は、このセマグルチドを肥満症治療向けに調整した製剤で、週1回の皮下注射で使用します。
単なる美容目的のダイエットではなく、医学的視点から関節症状や脊椎症状の改善が期待される治療法のひとつです。
体重減少
臨床試験では、食事療法・運動療法と併用し、週1回68週間投与した場合、平均して体重の約15%が減少したと報告されています(例:体重100kgの方で約15kgの減量)。日本人を対象とした試験でも同様の傾向が示されています。
食欲の軽減・満腹感の持続
GLP-1受容体作動薬は脳の満腹中枢に働きかけることで空腹感を感じにくくするとされています。また、胃内容物の排出がゆっくりになるため、食後の満腹感が持続しやすいとされています。
血糖値・脂質関連値の改善
ウゴービ®の有効成分であるセマグルチドには、インスリン分泌を促進し、血糖値の上昇を抑える作用があります。また、体重減少に伴い、中性脂肪やLDLコレステロールの低下、内臓脂肪の減少、それに伴う肝機能(脂肪肝)の改善が認められることが報告されています。
肥満に関連する整形外科疾患の改善
変形性膝関節症・変形性股関節症・変形性腰椎症、踵骨痛、足底筋膜炎、痛風など、肥満と正の相関が認められる疾患では、体重減少に伴い諸症状の改善が期待されます。
治療のステップ

1. 初診・カウンセリング
既往歴、治療歴、体型・体格(BMI)、生活習慣、ダイエット歴などを確認し、ウゴービ®の適応であるかを医師が総合的に判断します。

2. 必要な検査
安全に治療を進めるため、血液検査やレントゲン検査など、必要な項目を確認します。

3. 投与開始と使用方法の説明
ウゴービ®は週1回の自己注射です。初回は注射手順や注意点について、看護師が丁寧に説明します。

4. 定期的なフォローアップ
治療経過や体調、副作用の有無を確認し、必要に応じて用量調整や生活習慣のアドバイスを行います。運動器リハビリテーションの併用により、さらに高い効果が期待できます。
適応となる条件は?
次のいずれかに該当する方が対象となります。
- BMI35以上の方
- BMI27以上で、かつ肥満に関連する健康上の問題(例えば変形性膝関節・変形性股関節症・変形性腰椎症、踵骨痛、足底筋膜炎、痛風など)をお持ちの方
※BMIの計算式:体重(kg) ÷[身長(m) × 身長(m)]
BMIの計算
まずは以下のBMI計算ツールを用いて、現在のBMIをチェックしてみましょう。
副作用について
ウゴービ®は安全性に配慮された薬剤ですが、以下のような副作用が報告されています。
消化器症状
吐き気・嘔吐・下痢・便秘などが比較的多くみられます。
注射部位の反応
発赤、腫れ、かゆみなどの皮膚症状が現れることがありますが、多くは軽度で数日以内に改善します。
低血糖(糖尿病治療薬併用時)
冷汗・震え・動悸などの症状が見られる可能性があります。単独使用ではリスクは低いとされています。
稀な重篤な副作用:急性膵炎
持続する強い腹痛、嘔吐、発熱などが生じた場合は、直ちに受診が必要です。
費用について
ウゴービ®治療は自由診療(保険適用外)
初診時の費用(初回のみ)
初診料・検査料などレントゲン検査部位により費用は変動します。
※医師による適応の判断と、安全に治療を行うための各種検査が含まれています。
ウゴービ®薬剤費用
(週1回皮下注射・4週間分)
| 0.25mg MD (4週分) |
16,500円 (税込) |
|---|---|
| 0.5mg MD (4週分) |
22,000円 (税込) |
| 1.0mg MD (4週分) |
33,000円 (税込) |
| 1.7mg MD (4週分) |
41,800円 (税込) |
| 2.4mg MD (4週分) |
52,800円 (税込) |
※価格には注射針もすべて含まれています。薬剤は冷蔵保存が必要なため、お持ち帰り後は速やかに冷蔵庫へ保管してください。
※重度の副作用が発生した場合でも、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはなりません。
※当院で使用する薬剤は、国内の医薬品卸業者から正規に仕入れた国内承認製品のみです。
よくあるご質問
Q.ウゴービ®とはどのような薬ですか?
ウゴービ®は、GLP-1 受容体作動薬で、食欲を抑えるホルモンの働きを利用し、減量を目的とした注射薬です。週1回の自己注射で使用します。
Q.なぜウゴービ®による治療が保険適用ではなく、自費診療なのですか?
日本では、ウゴービ®を保険診療で処方するには専門医の常勤や管理栄養士による指導が可能な認定施設である必要があります。当院はこれらの要件を満たしていないため、自費診療としてご提供しています。
Q.ウゴービ®の適応条件は?
BMI35以上の方またはBMI27以上で、かつ肥満に関連する健康上の問題(例えば変形性膝関節・変形性股関節症・変形性腰椎症、踵骨痛、足底筋膜炎、痛風など)をお持ちの方が対象です。
※最終的には医師の診断によって判断いたします。
Q.どれくらいの期間で効果が期待できますか?
個人差がありますが、臨床試験では数ヶ月〜1年以上にわたって継続した投与で体重減少などが報告されています。ただし、効果には個人差があるため、必ずしも同じ結果が得られるわけではありません。
Q.他の薬を服用していますが、併用できますか?
ご使用中の薬によっては注意が必要な場合があります。特に糖尿病治療薬を併用している場合は、血糖低下のリスクがあります。事前に必ず医師にご相談ください。
Q.治療費用には何が含まれますか?
表示価格には注射針代も含まれており、薬剤そのもの、注射針、初回の指導費用などが含まれています。また、薬剤は国内承認の正規品を使用しており、安心してご利用いただけます。
